数字を持つ仕事だから、時短だと厳しい気がして…。

私も、毎月の数字を持つ仕事をしています。
同じ働き方をしている人ほど、抱えやすい悩みだと思います。
こんにちは、ゆずなです。11年勤めた会社を辞めて、職業訓練を経て2回転職した30代です。
ずっと営業職で、目標の数字を追う働き方が長いので、この悩みを持つ人の気持ちは想像できます。
ただ、感覚だけで語っても意味がないと思いました。だから今回は、公的な統計を調べています。
調べてわかったのは、いちばん大きな壁は「休みを取れるか」ではなく「戻ったあと」でした。
この記事では、公的統計で分かることと、分からないことを分けて書きます。
そのうえで、続けている人が取っている形と、動くなら何を見るかを整理します。
辞めるか続けるかを、いま決めなくて大丈夫です。決めるのは順番だけで足ります。
先に数字で見る|取れる人は9割、続く人は7割
調べていて、いちばん印象に残った対比があります。休みは取れているのに、キャリアの階段だけが細いことです。
| 調べたこと | 数値 | 出典 |
|---|---|---|
| 女性の育児休業取得率 | 86.6% | 厚生労働省 令和6年度雇用均等基本調査 |
| 男性の育児休業取得率 | 40.5% | 同上 |
| 第1子出産前後の就業継続率 | 53.8%(出産前に働いていた人を100とすると69.5%) | 国立社会保障・人口問題研究所 出生動向基本調査(2015〜19年出生) |
| 出産退職の割合 | 23.6%(同じく100とすると30.5%) | 同上 |
| 係長相当職の女性割合 | 21.1% | 厚生労働省 令和6年度雇用均等基本調査 |
| 課長相当職の女性割合 | 12.3% | 同上 |
| 部長相当職の女性割合 | 8.7% | 同上 |
休みそのものは、9割近くが取れています。制度としては、もう当たり前のものになりました。
一方で、出産前に働いていた人のうち3割は、そこで仕事を離れています。
そして役職の数字は、上に行くほど細くなります。係長21.1%、課長12.3%、部長8.7%。
取れることと、戻ったあとに続くことは、別の問題として分かれています。
不安の正体は、たぶんここです。休めるかどうかではなく、戻ったあとに同じ場所があるかどうか。
M字カーブは解消した。でも「正社員のまま」とは限らない
女性の働き方を語るときに、長く使われてきた言葉があります。M字カーブです。
結婚や出産の時期に働く人がいったん減り、落ち込んだ形になることを指していました。
これは、もうほぼ解消しています。令和6年版の男女共同参画白書では、20代から50代まで台形に近い形になったと説明されています。
| 指標 | 以前 | 最近 |
|---|---|---|
| 15〜64歳女性の就業率 | 64.6%(平成27年) | 74.1%(令和6年) |
| 出産を機に離職した割合 | 56.6%(平成17〜21年に第1子出産) | 30.5%(平成27〜令和元年に第1子出産) |
辞める人は、20年ほどで半分近くまで減りました。ここは素直に良い変化です。
ただ、内閣府は別の形も指摘しています。L字カーブと呼ばれるものです。
働いている人は増えたけれど、正社員の比率で見ると20代後半をピークに下がっていく、という形です。
辞めなくはなった。でも、同じ雇用の形のまま続いているとはかぎりません。
出産のあとにパートや契約の形へ移る人が一定数いる、ということです。
時間の制約が出たときに、雇用の形そのものを変えることで対応している。数字はそう読めます。



「続けられるか」の問いには、2つの意味が混ざっています。
働き続けられるかと、同じ形のまま続けられるか。
「時短だと厳しい」と言われる理由は、構造にある
数字を持つ仕事が短時間勤務と相性が悪いと言われるのには、はっきりした理由があります。
相手の都合で時間が決まる仕事だからです。
こちらの勤務時間が17時までだとしても、先方の打ち合わせが16時半から始まることはあります。
移動や出張が入れば、時間はさらに読めません。自分で終わりを決められない構造です。
短時間勤務は、こうした仕事で使いにくいと説明されることが多いです。
実際、制度の利用も偏っています。内閣府の白書では、育児のための短時間勤務は「女性のみ利用者有り」の事業所が9割以上とされています。
つまり、制度はあっても、使うのは事実上ひとつの性別に寄っている。ここも構造の話です。



能力の問題だと思うと、自分を責めてしまいます。
でも、時間の決め方が自分の手にない仕事だという話なのです。
差がつきやすいのは、制度の外側
時間の条件を変えたあとに何が起きるのか。ここは制度を読んでも分かりません。
手がかりになるのは、厚生労働省が勤務地や時間を限定した働き方について出している説明です。
そこには、制度を作るときのポイントとして次のような趣旨が書かれています。
裏返すと、放っておけば差がつきやすい、ということです。だから注意点として挙げられています。
時間が短くなること自体より、そのあとの評価と昇進の扱いが分かれ道になります。
| 確かめておくこと | なぜ見るのか |
|---|---|
| 時間が短い人の目標が、どう置かれているか | 時間に比例して調整されるのか、据え置きなのかで負担がまったく違う |
| 評価の基準が、時間あたりで見られるか | 総量だけで見られると、短い時間はそのまま不利になる |
| 昇進の対象から外れる運用がないか | 制度上は対象でも、実際に例がなければ現実味は変わる |
| 元の条件に戻す仕組みがあるか | 戻れる前提があるかどうかで、選ぶときの重さが変わる |
4つとも、就業規則には書かれていないことが多いです。運用の話だからです。
だからこそ、戻る前に聞いておく価値があります。
正直に書きます|この職種だけの離職データは見つかりませんでした
「この働き方は復帰後に辞める人が多い」という話は、よく見かけます。
それを公的な統計で確かめようとしたのですが、見つけられませんでした。
労働力調査では、この職種は「販売従事者」という大きなくくりに入ります。職種だけを取り出した離職率は表に出てきません。
見つかるのは、次の3種類でした。
だから「この仕事だから辞める」とは書けません。書けるのは「時間が読めない仕事は、短時間勤務と噛み合いにくい」というところまでです。
数字がないことを、あるように書きたくありませんでした。ここは正直に置いておきます。
続けている人が取っている、3つの形
調べた範囲では、続けている人の多くが「同じ働き方のまま我慢する」以外の形を選んでいました。
大きく3つに分かれます。
| 形 | 中身 | 時間の読みやすさ |
|---|---|---|
| ① 訪問の少ない形に移る | 電話やオンライン中心で、移動が発生しない進め方 | ◎ 予定が自分の手に戻る |
| ② 既存のお客さまを担当する形に移る | 新しく取りに行くより、続いている関係を守る役割 | ○ 締め日の波が小さくなる |
| ③ 数字を持たない部署へ移る | 内勤や管理の部門に異動する | ◎ ただし枠が少なく、希望しても通らないことがある |
①と②は、同じ職種の中での移動です。積み上げた経験がそのまま使えます。
③は経験の一部を手放すことになりますが、時間はいちばん読めるようになります。
どれを選ぶにしても、共通していたのは1つでした。復帰する前に、担当の範囲と目標の置き方を先に話している、ということです。



戻ってから交渉するのは、いちばん体力が要る時期です。
話すなら、戻る前のほうが楽だと思います。
戻る前に話しておくと、あとが楽になる
調べた範囲で共通していたのは、復帰してから交渉するのは体力が要る、という点でした。
生活のリズムが変わり、体力も落ちている時期に、条件の話を持ち出すのは重いです。
戻る前なら、まだ交渉する余力があります。
4つとも、決めておけば毎回考えなくて済むものです。
決めずに戻ると、その場その場で判断することになります。判断の回数が多いほど、消耗します。



決めておくのは、自分を守るためでもあります。
その場で頼まれると、断りにくいですから。
「その前に転職」と「戻ってから転職」、どちらが現実的か
ライフイベントの前に動くか、戻ってから動くか。どちらにも理屈があります。
| その前に動く | 戻ってから動く | |
|---|---|---|
| 時間の余裕 | ある。選考にも動きやすい | 少ない。生活が立て込む時期と重なる |
| 条件の交渉 | 入社時に決められる | すでにある条件を変える話になる |
| 実績の見せ方 | いまの会社での実績を持って出られる | ブランクの説明が必要になることがある |
| 不確かさ | 新しい職場の実態は入るまで分からない | 今の職場の実態は分かっている |
| 制度の使いやすさ | 入ってすぐは使いにくい場合がある | 勤続年数の条件は満たしやすい |
表を見ると、前に動くほうが有利に見えます。ただ、いちばん下の行が効きます。
制度には勤続年数の条件が付くことがあります。入ってすぐでは使えない場合がある、ということです。
ここは会社ごとに違うので、求人票ではなく面接で確かめる部分になります。
前に動くなら、制度が使えるようになる時期まで確かめておく。ここが抜けやすいところです。
逆に、いまの職場で①〜③の形が取れそうなら、動かずに済みます。
会社を変えるのは、いちばん体力を使う手段です。最後の選択肢に置いておくくらいでちょうどいいと思っています。
「その前に転職」を考えるなら、見るのはこの4つ
いまの会社で①〜③が難しそうなら、動くことも選択肢になります。
ただ、求人票の「時短勤務あり」だけを見て決めるのは危ないです。制度があることと、使われていることは別だからです。
| 見るところ | 確かめ方 | 聞ける質問の例 |
|---|---|---|
| 制度の利用実績 | あるかどうかではなく、直近で使った人がいるか | 「時短勤務を使っている方は、いま何名ほどですか」 |
| 目標の決め方 | 時間が短い人の数字が、どう置かれているか | 「勤務時間が短い場合、目標はどう設定されますか」 |
| 訪問と移動の量 | 1日の動き方が具体的に説明されるか | 「1日の中で、外に出ている時間はどれくらいですか」 |
| 戻った人の行き先 | 同じ役割に戻っているか、別の部署に移っているか | 「復帰された方は、どの部署で働かれていますか」 |
4つ目が、いちばん実態を映します。戻った人が全員別の部署にいるなら、同じ役割では続きにくい職場かもしれません。
時間の条件を落とさずに探す考え方は、時短勤務のまま転職できる?条件を落とさない探し方にまとめています。
面接でライフイベントについて聞かれたときの答え方は、面接で結婚・出産を聞かれたら|言う言わないの判断軸が近い話です。
探すなら、条件から絞れる場所を使う
時間の条件が決まっているときは、その条件で絞り込める場所から見るほうが早いです。
希望を伝えて求人を出してもらう形なら、条件に合わないものを自分でよけ続ける手間が減ります。
| type女性の転職エージェント | Remoful | JAC Recruitment | |
|---|---|---|---|
| 向いている人 | 働き方まで含めて相談したい人 | 在宅・リモート中心で働きたい人 | 専門職・管理職で、働き方の条件まで詰めたい人 |
| 強み | 女性の転職に特化。ライフプランを前提に相談しやすい | リモート可の求人を中心に扱う | 求人紹介から条件交渉まで一貫して伴走する |
| 気になる点 | 求人は首都圏が中心 | リモート職に寄るぶん、職種は絞られる | 専門性の高いポジションが中心で、数は追わない |
| 料金 | 無料 | 無料 | 無料 |
3つとも登録と相談は無料です。合わないと感じたら、途中でやめて構いません。
働き方の条件は、入社したあとに変えるのが難しい部分です。入る前にどこまで詰められるかで、戻ったあとの負担が変わります。
条件の交渉まで間に入ってもらえるかどうかは、そこで効いてきます。
働き方まで含めて相談したい人へ
在宅・リモート求人が中心・登録は無料
専門職・ハイクラス向け・登録は無料
ただし、紹介される求人は担当者の手元にある範囲から出てきます。方向性がずれることもあるので、自分でも市場を見ておくと比べやすくなります。
いま決めなくていい|決めるのは順番だけ
続けるか、動くか。この2つを今日決める必要はありません。
決めておくと楽なのは、順番のほうです。
①を2つ3つにすると、比べる項目が増えて決まらなくなります。1つに絞るのがコツです。
軸の決め方そのものは、転職の軸の決め方|自己分析で見つける3ステップに手順を書いています。
②で動けるなら、それがいちばん負担の少ない道です。環境を変えるのに、会社まで変える必要はありません。
社内で環境を変える方法は、辞めなくても変えられる?異動願い・働き方の選択にまとめました。


🌸 わたしの体験談
私は今、本社から離れた小さな拠点で働いています。
転勤なしで入社しましたが、他の拠点で人が辞めて、異動の打診を受けたことがあります。私は断りました。
この記事のために調べて分かったのは、休めるかどうかより、戻ったあとの置き場所の話だということでした。
拠点が小さいと異動できる職種は限られてしまうので、事前に調べたり、育休から復帰した同僚に話を聞くのも良いと思います。
不安の形がはっきりするだけで、少し軽くなることもあります。
よくある質問
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細くなっていく数字は、あなたの力の話ではありません。
働き方の形が追いついていない話です。
厚生労働省のサイトで「育児 短時間勤務」と検索して、条件の欄だけ見てみてください。読むだけで、今日はそこで終わってかまいません。








