でも貯金がいくらあれば足りるのか、まったく見当がつかない。

その計算が怖くて、通帳を開けない夜がありました。
私も、辞めたあとに収入が止まる期間を過ごした一人です。
はじめまして、ゆずなです。
新卒で入った会社に11年勤めて辞めたあと、職業訓練に通いながら次を探しました。
働きながらの転職活動がつらくなると、「先に辞めて、身軽になってから探したい」という気持ちがふくらみます。
でも、その一歩を止めているのはたいてい、やる気ではなくお金の不安のほうです。
この記事では、その不安を「見えない塊」から「数えられるもの」に変える手順を書きます。
ひとつでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
お伝えするのは、必要額の正解ではありません。あなたが自分の数字で判断するための、組み立て方です。
お金の不安は、金額を眺めている間はふくらみ、数え始めた瞬間から縮みます。
※私はファイナンシャルプランナーではありません。ここに書くのは、当事者として考えた組み立て方です。
※制度の最新の扱いは、ハローワーク・お住まいの自治体・年金事務所など、公式の情報で必ず確認してください。
「いくら必要?」を、「何か月ぶん?」に置き換える
必要な貯金額は、金額で覚えるものではありません。
あなたの暮らしが1か月で必要とする額の、何倍あるかで見るものです。
同じ100万円でも、月に出ていく額が小さい人には長い時間になり、大きい人にはあっという間に溶けます。
だから最初にやることは、貯金残高を見ることではなく、月にいくら出ていくかを把握することです。
まず1か月の支出を、ざっくり4つに分ける
家計簿をつけ直す必要はありません。直近3か月の引き落としとカードの明細を眺めるだけで十分です。
- ➜住まいにかかるお金(家賃・水道光熱・通信)
- ➜生きるのに必ず出るお金(食費・日用品・交通)
- ➜毎月ではないけれど必ず来るお金(更新料・帰省・冠婚葬祭)
- ➜減らせるお金(サブスク・交際費・趣味)
上の3つを足したものが、あなたの「1か月ぶん」の芯になります。
私も辞める前に、直近3か月の明細を並べて、この足し算だけをやりました。
残高が足りるかを考える前に、1か月ぶんの重さを知るほうが先です。
暮らしの内訳をどう洗い出したかは、30代一人暮らしの家計内訳をまとめた記事に書いています。
辞めたあと、じつは負担が増える部分がある
退職後の1か月は、在職中の1か月と同じ金額では終わりません。
会社員のあいだ給与から天引きされていたものを、自分で払う立場に変わるからです。
代表的なのが、健康保険・年金・住民税の3つ。
金額や計算の仕方はひとりずつ違うので、ここでは仕組みだけ押さえてください。
天引きが「請求」に変わる、という感覚のずれ
在職中は、給与明細の手取りだけを見ていれば暮らしが回ります。
退職後は、同じ種類のお金が納付書や口座振替という形で、こちらに向かってきます。
金額そのものより、支払う実感が変わることが効いてきます。
私は納付書が届いた日、封を開ける前に少し身構えてしまいました。
退職後の1か月は、在職中の1か月より少しだけ重い。そう見積もっておくと安心です。
どの窓口で何をするのかの全体像は、退職後にやる手続きを地図にした記事にまとめました。
収入が途切れる期間は、想像より長引く前提で
もうひとつの変数は、次が決まるまでの期間です。
ここは自分では決められません。応募先の選考スピードにも左右されます。
だから「早く決まるはず」ではなく、「思ったより長引いても大丈夫か」で組み立てるほうが安全です。
期間が延びる理由は、あなたのせいではない
書類の返事に2週間かかることも、最終面接の日程が先延ばしになることもあります。
年末年始や大型連休をまたぐと、それだけで動きが止まります。
私も、返事を待つ日々のほうが、面接そのものよりこたえました。


11年勤めた会社を辞めたあと、私は約半年の職業訓練に通いました。そのあいだ収入は途切れていて、目安にしたのは金額ではなく「暮らしの何か月ぶんを持っているか」でした。想定より重かったのは支出そのものより、残高が毎月減っていく光景のほうでした。
貯金が削るのは残高だけではなく、落ち着いて選ぶ力のほうです。
失業保険は「あてにしすぎない」で組み立てる
退職後の支えとしてよく挙がるのが、雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)です。
ただ、これを計画の中心に置くのはおすすめしません。
受けられるかどうか、いつから、どれくらいの期間かは、一人ずつ事情が違うからです。
断定できることと、できないこと
自己都合か会社都合かで扱いが違うと言われています。
また、手続きをしてから支給までに一定の期間があるとされています。
つまり、辞めた翌月からすぐに何かが入ってくる前提では、家計が苦しくなる可能性があります。



ここは記事やSNSの情報を信じないでください。
私も、自分のケースは窓口で聞くのがいちばん早いと感じました。
条件も金額も日数も、この記事では書きません。あなたの雇用保険の記録によって変わるからです。
数えていいのは、いま手元にあるお金だけ。入るかもしれないお金は、計算から外しておく。
該当するかどうかを含めて、必ずハローワークの公式情報と窓口で確認してください。
「辞めてから」と「在職中」を、正直に並べてみる
辞めてから探すのは、悪い選択ではありません。ただ、得るものと引き換えに手放すものがあります。
両方を並べて見ると、自分がどちらの負担に耐えやすいかが見えてきます。
| 比べる観点 | 辞めてから探す | 在職中に探す |
|---|---|---|
| 時間 | まとまって取れる | 細切れになりやすい |
| 面接の日程 | 自由に組める | 有給や時間の調整が要る |
| 気持ち | いったん整理できる | 消耗が続きやすい |
| 収入 | 途切れる | 続く |
| 選ぶときの心境 | 焦りで妥協しやすい | 断る余裕を保ちやすい |
| 説明の手間 | 空白期間の説明が要る | 経歴が途切れない |
私自身、収入が途切れていた時期は、条件よりも「早く決めたい」が先に立ちそうになりました。
表の右側が気になるなら、まず在職中に小さく動く手もあります。
日程のやりくりは働きながら転職活動を回す方法の記事、周囲に知られたくない不安は在職中の活動が発覚しやすい経路の記事が近いはずです。
辞めるかどうかより先に決めるのは、「焦らずに選べる状態をどう作るか」です。
お金の不安を小さくする、辞める前の3つの工夫
貯金を増やす以外にも、不安をやわらげる方法はあります。
どれも辞める前だからこそできることです。
私が最初に手をつけたのは通信まわりの契約で、それだけで1か月ぶんが少し軽くなりました。
▼ 辞める前にやっておきたい3つ
通信・サブスク・保険の契約内容を確認する。1か月ぶんが軽くなれば、同じ貯金で持てる月数が増えます。
賞与や住民税の切り替わりと重なる時期があります。数か月ずらすだけで負担感が変わることも。
短時間の仕事など、細くても入ってくる形を辞める前に用意しておくと、気持ちの余裕が違います。
退職日をいつにするかで迷っているなら、賞与の時期と退職日の考え方をまとめた記事が参考になります。
活動そのものにもお金はかかります。その実費は転職活動にかかるお金の記事に書きました。
貯金を増やすより、1か月ぶんを軽くするほうが早く効きます。



私は「あと何か月持つか」をメモに書いてから、少し眠れるようになりました。
怖いのは金額そのものより、分からないままでいることでした。
よくある質問
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NEXT ▶ 退職後にやる手続き|役所と失業保険・保険・年金の地図辞めてから探すことも、在職中に動くことも、どちらも間違いではありません。
違うのは、どちらのほうがあなたが落ち着いて選べるか、それだけです。
今日はまず、直近1か月の引き落とし明細を開いて、住まい・食費・通信の3つだけ足してみてください。
電卓を叩く時間は5分ほど。結論を出す必要はありません。数字を見てから、また考えれば大丈夫です。








